前橋市には、筑西市のスピカビルと似たような経緯の商業ビルが3棟あります。そのうちJR前橋駅前ビル(ekita)と東部前橋駅近くのビル(前橋プラザ元気21)の2棟を見学してきました。まずはekitaビル。ここは、平成19年にイトーヨーカドーが撤退したことを受け、行政が駅前振興のためにビルの再興を検討し、難航しながらも最終的に「(株)やまき」というビル管理会社に委託し、見事複合ビルとしてリニューアルオープンしたものです。ビル所有者は地元企業。(株)やまきはビル所有者から賃借し、テナントに賃貸することで利益を上げる仕組みです(サブリース方式)。テナントが出店しやすいような小スペース、表通りから店内が楽しそうに見える飲食店のウィンドウ配置、オフィスフロアーへの改造、音楽好き若者をひきつけるスタジオ、魅力的な飲食店街、屋上ビアガーデン、工夫はいたるところに見て取れます。ビル全体の企画、マーケティング、管理を(株)やまきが引き受けます。所有ビルから収益を図るならこの方式が最適です。
筑西市でも、売却一本やりではなくこの方式がとれなかったものでしょうか。スピカビルの場合は、現在、3階以上は特に問題ありません。地下、1階、2階が空床であり、ここを再興すればよいのです。売却に拘らなければサブリース方式により柔軟な対応が可能であったと考えられます。駅前振興を図るためなら、今からでも検討すべきだと思うのですが。
もうひとつのビル「元気21」も参考になります。これについては稿を改めます。