私ごとですが、86歳になる母は、さしたる持病もなく身の回りのことは自分で済ませることができます。一年前、膝関節手術を受け、両膝に人工関節を移植してから、畳や床に腰を下ろすことができないことを除けば、健常者と変わりません。しかし、寄る年波には勝てないようで、体力の衰えを口にするようになりました。人工関節のため要支援2と認定されていましたが、これまで介護サービスを受けることなど考えていなかったのですが、ある民間事業者が始めた介護予防サービスを自ら申し込んでいたのです。初めて試行してみて具合がよかったのでしょう、今後続けるそうです。要介護に進まないように、リハビリを施してくれるのだそうです。ありがたいことです。
しかし、この要支援者へのサービス(介護予防給付)が廃止される可能性が生じています。新聞報道でご存知の方もおられましょう。国の方針ですので市町村としては如何ともし難いのですが、要支援を介護保険から分離し、市町村事業とするという言い回しをしています。どうゆうことでしょうか。市町村の財政はひっ迫していますので、存続を心配せずにはいられません。また、このサービスを提供している民間事業者はどうするのでしょう。自己負担1割であるから利用できたのに、全額負担ではほとんどの高齢者は利用できません。こちらも存続が危ぶまれます。
この国の方針は、社会保障費の増大を恐れてのものですが、介護予防は病気予防、入院予防の効果があり、老人医療費の抑制に役立っているという観点からみれば、逆効果になる可能性があります。私的レベルで言えば、せっかくやる気になった86歳の母の楽しみを取り上げないでほしいものです。