市議会の表決は、一般的には起立表示で行います。賛成者は起立、反対者は着座のまま。特別な場合、議員側から記名投票あるいは無記名投票の要求によって、表決方法が変化します。起立表示は誰が賛成で誰が反対かはっきりしますので記名投票に通じます。無記名投票は、その反対ですから合理性がある場合にのみ、その正当性が認められます。
先日、議会最終日に、議員定数2名削減案の表決がありましたが、無記名投票で表決の結果、否決されました。賛成6、反対14です。この議案の表決が無記名となる合理性はありません。想像するに、選挙が近いことと関係しているようです。議員定数削減に反対することは選挙対策上マイナスであるという心理でしょう。私は無記名に反対しましたが残念ながら届きませんでした。
この議案の採決には合理性のないことがまだあります。無記名投票を要求した3人の議員、削減案に対する否定的質疑と反対討論を行った議員、追い打ちをかけるように否定的質疑をした議員、少なくともこの5人は削減案に反対することを顔を出して意思表示したことになります。5人にとって無記名投票は意味がありません。皮肉にも無記名投票反対者は、議案提出者5人、私、そしてこの5人を加えれば11人であり、記名投票での表決こそ正当性があったのです。