政府が進める安保法制に対し、識者が集団的自衛権は憲法違反という意見をマスコミに出してから、流れが変わってきたようです。安倍首相を支える自民党も一枚岩ではありません。私には、この話が出るとどうしてもひっかかるものがあります。そもそも憲法と自衛隊の問題です。
以前(日誌287)にも書きましたが、自衛隊とは軍隊ではないのでしょうか。憲法施行後、直ぐに自衛隊が発足したのではありません。朝鮮半島をはじめとした極東の緊迫した国際情勢の要請で自衛する軍隊が必要となり自衛隊が誕生しています。自衛隊は憲法違反ではないと国家ぐるみで信じ込んだのです。憲法違反でないということは、自衛隊は憲法が禁じる軍隊ではないという解釈です。
これを非難するものではありません。これだけの英断をしておいて、国民を外国からの武力攻撃から守るための必要最小限度の武力行使には集団的自衛権は含まれないというのは狭量すぎるのではないでしょうか。誤解を避けるために言いますが、単純に同盟国への攻撃に対する反撃という意味で集団的自衛権を肯定するのではありません。この辺が揚げ足取りされやすいのです。