日本の主食用米生産能力は約850万トン、需要は750万トン、輸入ゼロでも約100万トン過剰生産です。米価を維持する政策は、かつては政府の全量買い上げ政策でしたが過剰在庫で破綻、そして減反と転作奨励金政策に変わりましたが需給調整が機能せず米価が下落、ここで飼料用米の話が登場します。
主食用米の需給バランスを保つために米の生産100万トンを飼料用米に転換させる政策を進めています。 政府が飼料用米生産者へ水田活用交付金を配ることで、生産者の所得を補償します。飼料用米の市場価格がいくらであっても主食用米を作るより有利に設定しています。これであれば主食用米の需給バランスは保てます。飼料用米は主食用米の需給バランス・価格維持の救世主のように映ります。しかし、今後予想される需要の逓減、輸入量の増加により常に生産過剰圧力があり、価格の下落圧力も続くでしょう。しかし際限なく価格維持に税金投入するわけにいきません。米作農業の経営体質の強化・生産効率の向上により、低い米価にも耐えられる農業を実現しなければなりません。飼料用米はこのための投資でなければなりません。
更に、国が金科玉条のように農地保全を唱えていますが、米の需給バランス上も地方都市の健全な開発発展上も障害となっています。地方創生に有益な農地転用を後押しすることも必要です。