控室に戻りますと、先輩議員がいつもどおりに雑談を始めます。表現が不謹慎ですが、一定のテーマで話し合う訳ではなく、いくつかの会話が交差しながら進行するのでこう表現します。内容はそれぞれ市行政・政治で、いたって真面目です。新人議員は必至でどの会話も頭に入れようとしますので、議場より疲れるのです。D議員が笑顔で「あれは討論じゃないからね。筋はとおさないと。」別の方が「議運はどうした。いつまでやってるの。」 そうです、単なる休憩じゃありません。議会運営委員会が協議しているはずです。どう決着させるのでしょう。
そうこうしているうちに、別会派のT議員が入ってきて「新中核病院推進委員会の設置案の動議を出すので宜しく」、入れ替わって、E議員が「動議に待ったをかける。」 我われの会派は「いったい何なんだ」といった雰囲気。意見はまとまり切れない。
議場集合のアナウンスがあり、議場へ戻ります。議事再開、すかさずS議員から「議長、賛成討論です」と声が上がり、議長は引きずられるように「S議員」と指名し、S議員の賛成討論が始まりました。議運の報告は不要なのか、戸惑っていましたが、T議員から「議長、動議」の声がかかり、議長より「動議案を採決致します。」 私は、会派としての意見を確かめられなかったので困惑しながらも不起立。結果、12対11で動議案は可決。
「これより逐条採決致します。議案第―号、―――について、賛成の方の起立を求めます。」明確な反対の意志がない限り起立します。全案可決され、議長が閉会を宣します。新人議員が困惑しようが、ベテラン議員が熱を入れようが議会の流れは確実に進み、閉会を迎えるものだと妙に納得しました。閉会中に新人議員は特別講座を設けてレクチャーを受けねばなりません。