議員日誌12   地域振興をテーマに一般質問―②

 ②秩序ある土地利用の推進

 筑西市総合計画の前期基本計画の中に、計画的土地利用と道路網の整備の項目があります。筑西市全体の地域産業の底上げを図るには、道路の整備と土地政策は重要です。ここでは、社会経済情勢等を背景に、商業施設や住宅の郊外立地など土地利用の形態も変化しつつあると指摘し、また地域の豊さにつながる秩序ある土地利用を推進するとしています。そして、今後も、いくつかの地方主要道の整備が予定されていることを揚げています。(具体的には一本松・茂田線、つくば・真岡線、筑西・つくば線です。)この文脈からは、道路を整備し、その沿道地域の土地利用を推進する―と読めます。しかし、主要道路とその沿道地域に対する行政の土地利用上の政策に疑問があります。

 主要道路に面している土地は地域産業からみて大変魅力的です。十分な広さ、交通量が少ないことからくる他地域へのアクセスの良さ、価格の安さ等です。既存の市内の事業者の中にも新事業所用地として取得を計画している方が少なからずおります。このような事業者は地域に根差した優良企業が多いものです。長引く景気後退の中、独自の経営ノウハウで業績を上げて新事業所を求めるわけですから当然です。こういった希望を持っているのは市内の事業者ばかりではありません。他市町村の比較的優良な中堅企業や大企業までもが土地を探しています。一方で沿道地域の土地所有者は事業用としての土地提供を希望しています。

 ところが主要道路の沿道地域はほとんどが調整区域です。当然、農地か山林です。調整区域における土地開発はいくつかの法律で規制され、一般的には、開発は不可能と理解されています。農振法、農地法、都市計画法、等等。行政がこの状況を、当然の規制だからと傍観すれば、事業者は規制の緩やかな市町村へ移ってしまいます。せっかくの地域振興につながるチャンスが失われます。実際、これまで多くのチャンスが失われてきたのです。

 総合計画の理念と矛盾する結果となっているように思います。これまでの土地規制行政が、「地域の豊さにつながる秩序ある土地利用の推進」を阻害しているのです。

これに対する、行政の考えをお聞かせ下さい。

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市長の答弁

  「平成21年に策定した筑西市都市計画マスタープランには、調整区域においては自然環境との調和をはかりつつ、一定の土地利用を推進するとある。その施策として地区計画を推進し、区域指定制度の導入を予定している。総合計画の理念に矛盾していない。」

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 これが要点です。確かに、区域指定は一定の効果が見込まれます。しかしこの制度は住宅建築を重点にした政策です。産業誘致には効果が期待できません。地区計画については、平成19年の都市計画法の改正後、まとまった規模の開発規制が強化されたため、その需要が高まったように見えましたが、筑西市では殆ど実績がありません。利用しにくい制度と言わざるを得ません。さらに、農地に関する規制が法律レベルで強化されています。全体として土地規制は強化されてしまいます。

 吉沢市長は、私が行政書士としてある都市計画法上の取り扱いに関して改善の申し入れを行った際、とてもスピーディーに実行してくれた経歴があります。土地政策については必要性を理解すれば行政を動かす情熱があるものと信じます。

 筑西市は突出して人口が減少しているのです。産業誘致を全面に出した、思い切った土地規制緩和政策が望まれます。

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