市水道事業に関しましては、前稿、前々稿の説明の通り、これまで健全経営の事業でありましたが、水源(自己水源から県の受水に切り替わる)の問題、施設・管路の老朽化による更新問題があり、今後は水道コストが跳ね上がり水道料金の上昇が避けられなくなる可能性が生じています。しかし、もう少し詳しく調べますと、少なくとも今後10年間は水道料金を据え置いたまま継続できることがわかります。
水道事業の特色は、需要予測が可能で今後も安定していることが分かっている、事業は独占であり競合するものがない、よって事業計画は確実性が高い。さらに設備投資のための資金は確実に得られる。現在の債務残高75億円程度に対し年間償還額は6億円、このキャッシュフローで健全であったということは、債務残高を同程度に維持するなら毎年6億円の起債をして設備投資することも可能ということ。そして内部留保金は毎年1億円以上が積み上がり、10年後はこれまでの合計で20億円程度となる見込みです。これは次の10年事業に対する大きな財源となります。
筑西市水道事業は、恵まれていると思います。地下水脈が非常に安定しているため、今後も相当期間自己水源が維持できそうです。県受水が全体の3分の1程度という割合は、水不足を心配することもありません。市域が広く総管長も膨大ですが、平坦であるため敷設工事は比較的軽経費で賄えます。安全で安心な水道がある筑西市をもっとPRすべきでしょう。