ただいま、NHKの大河ドラマでは、日本の近代経済を確立した渋沢栄一を主人公としています。書店では、彼が上梓した「論語と算盤(ソロバン)」が並んでいます。当然に題名は知っていましたが、ついぞ読んだことがありません。思い切って購入いたしました。読んでみて、すぐに気が付いたことがあります。
倫理・社会貢献(論語)と経済(そろばん)は車の両輪とならなければならないという発想。私も所属するロータークラブのまさにスローガンです。渋沢の経済と論語に関する考えは、少し前の二宮尊徳の報徳思想にも色濃く表れています。「経済のない道徳は戯言である。道徳のない経済は犯罪である」これに集約されます。さらに近江商人の「三方よし」にもつながります。売り手よし、買い手よし、世間よし。
近年、SDGs、CSRといった言葉が世界共通用語として注目されています。底流にあるのは経済発展と地域社会の発展を並行ならしめることが肝要という理念でしょう。論語に代表される東洋思想を学んだ日本の先達には先見性があったということです。