小、中学生をお持ちの方は、外国語指導助手(ALT)はよくご存じだと思います。私の年代ですと自分や自分の子供時代にはなかった制度ですのでピンとこない方も多いでしょう。ALT制度は英語の授業に生の英語を導入する目的で、英語を母国語とする外国人を講師として導入するものです。
先日、この制度に関する新聞報道がありました。そこには、教育現場にまず相応しくない「偽装請負」という言葉が躍っていましたのでショックを受け、調査をしてみました。ALTの受け入れは、講師派遣会社との業務委託契約(民法上は準委任契約か請負契約に分類される)に基づくものが主流であり、筑西市でも例外ではありません。派遣契約と似て非なる契約です。この契約の問題は、現場でALTに対し直接指示できない点にあります。派遣契約や直接雇用であれば、当然現場で教師がALTに指示しながら授業を進められるのですが業務委託契約ではこれを行うと労働局から偽装請負(労働者派遣法違反)にあたると指摘されるようです。従って、教育員会では現場の教師がALTに直接指示しないよう通知し、ALTへの指示は講師派遣会社を通して行っているということです。法律上はこれが正しいのでしょうが、労働行政側の法の運用が間違っているとしか考えられません。
幸い、筑西市の教育現場ではALTと教師、児童・生徒の関係は良好のようです。現在のALTは9名ですが概ね教育に好意的であり人格的に問題のある人はいないようです。しかし、労働行政の法の運用・解釈が現状のままでは、トラブルの可能性を内包している事になります。ALTと教師は同じ教室で子供たちに英語を教えるのですから教師が責任をもってALTに指示することは必要であり当然です。T・T(チーム・ティ―チング)などと言う曖昧な言葉で教師とALTの関係を表現していますがやはりすっきりしません。教育現場からの法の解釈・運用が主流になるよう主張するべきではないでしょうか。