本日5月5日をもって、我が国のすべての原子力発電所が停止します。42年間なかったことです。脱原発派は大喜びでしょう。原発推進派は複雑な思いで推移をみているでしょう。概してマスコミの論調は、脱原発支持のようです。市民国民の生活、安心安全を擁護する意味で正義は脱原発という論理のようです。一方の原発支持者は、電力を大量に使う産業界や原発関連の業務を行う企業、そこで働く人たちであり、彼らが原発を支持する理由は経済の論理です。図式は分かりやすいのですが、私はこれだけでは不安です。
原子力に対する考え方、科学理論からいえば、エネルギーを取り出す方法としてこれほど効率の良いものはありません。そして宇空で生み出されるエネルギーは原子力エネルギーが源泉です。化学反応による化学エネルギーは元素が誕生し物質を構成してからの話です。運動エネルギー、位置エネルギーもそうです。太陽などの恒星が発するエネルギーはそもそも原子核反応であり原子力エネルギーです。人類が原子力エネルギーを利用しようとすることは、科学を発展させる過程で当然に到達する考えです。要は技術の問題のはずです。現代の原子力技術では人類を幸福にできない、災いを引き起こす要素が大きすぎるのであれば原発停止という英断も必要です。しかし、原発を災いの技術、原子力を不幸の科学と烙印を押すことはどうでしょうか。
原子力科学技術に対する正しい評価を社会全体でしておかないと、日本はこの分野で大きく立ち遅れてしまいます。いずれ原子力エネルギーが人類を幸福にする時代がやってきます。原子力技術に関する更なる技術革新、放射能物質を出さない原子核反応を粘り強く研究してほしいものです。