新聞報道によれば、茨城県那珂市の量子科学技術研究開発機構(量研機構)に「インターナショナルフュージョンスクール」が開校したようです。日欧20か国の学生と若手研究者が12日間、「核融合」の最先端理論や技術を学ぶものです。
現在、原子力利用というと、ウランやプルトニウムの原子核分裂反応を利用するものが実用化されていますが、放射能汚染や重大事故が大きな懸念であり解決されていません。核融合による原子力利用であれば、これらを克服できるのです。核融合発電は21世紀前半における実用化が期待される未来技術の一つであり、日本を含む各国が協力して核融合実験炉イーター(ITER)をフランスに建設中です。日本では、ITERを補完する実験炉として「JT60―SA」が、量研機構主導のもと活躍しています。
このJT60―SAは、世界最大規模の実験装置であり昨年10月、核融合に必要なプラズマの生成にはじめて成功しています。日本はこの分野で世界最先端を走っているようです。わが茨城県でこのような国際的スクールが開催されることはとても誇らしいものです。