私の事務所が事業許可の依頼を受けた会社について、ある自治会から説明を求められました。事業というのは自動車解体業であり、自動車リサイクル法に基づくもので、その許可申請にあたって住民説明は義務付けられていません。いわゆる廃棄物処理施設ではありません。しかし、桜川市のその自治会長さんが、住民の声に押されて申請代理人である当事務所に来られ、説明会を要請されたので、これに応えることにしたものです。事業主は、パキスタンの方ですが、住民とのトラブルを防ぐためということを理解していただきました。
私が驚いたのは、旧明野地区と旧真壁地区の境の自治会で総戸数50~60戸程度ですので、事業予定地の周辺20人程度の集会かと予想していたところ、ほぼ全戸数の人が集まっていたことです。自治会長さん曰く「外部の人間が事業所を開くことなどなかったので、大変関心がある。まして、外人が解体業をやるということで環境や風紀を心配している。」最近は、住民同士の連携が希薄になり、地域に心配事があっても会長さんがまとめられないことが普通です。この自治会のように問題意識を共有できることはある意味うらやましいことです。
ひるがえって申請代理人としましては手強い相手です。行政に対し、住民から、許可をしないよう強烈な反対圧力があった場合、苦戦を強いられます。事業者が誠意ある人間か、事業開始後、トラブルを起こさないか相当注意が必要です。本来、事業そのものの責任は私たち行政書士にはないのですが、住民は私の名前を記憶していますので非難の矛先も向いてきます。